2つ以上の補助金を併用できる?

補助金って、2個使えますか?こっちのもあっちのも気になってるんだけど…

その質問に、丁寧にお答えしてみます。

補助金の「併用」は基本的には不可

魅力的な補助金がたくさんあるけれど、両方を使うことができる?

……とお尋ねになる方の言う意味での「併用」は不可のことが多いです!

二重にお得にはならない

まず第一に、同じ事業に2つの補助金は、原則として不可です。

似た事業でも事業を分ければ余地はありますが、少なくとも同じ物品・サービスに2つ適用して二重にお得♪ということは、通常認められません。

また、1つの事業を無理に別事業に分けるのは、申請できたとしても、制約や制限が多いので、おすすめできません。

そもそも2つ以上の補助事業を同時に回すのは、経済的にも手間の面でも負担が大きく、制度的に可能であっても避けたほうが無難です。

次の補助金はいつ申請できる?

補助金の一部には「前の補助金が終わらないと申請できない」「前の補助金から一定期間が経過しないと申請できない」場合があります。

期間が明確な場合はともかくとして、では「前の補助金が終わる」とはどのタイミングでしょうか?

一般的な補助金は、

申請→採択→(交付申請)→事業実施→実績報告→(事業化状況報告)

という流れになっています。

この中で、次の補助金申請に関わってくる「終了」は、通常、実績報告が完了した時点を言います。

実績報告が完了した時点では、補助金の事業がすべて終わって、その証拠書類を提出し終えているはずです。
特に国の補助金同士では前の補助金の終了前の申請を認めていない場合が多く、このことからも2つ以上の補助金の同時併用が難しいことがわかります。

例外的に併用が可能な場合

しかしながら、一部の場合には、同時併用が可能である場合もあります。
どのような場合に可能なのか、確認しておきましょう。

「国と地方自治体」の組み合わせなら可能なことも

地方自治体が国の取り組みをさらに後押しする形で、「上乗せ補助」などの併用前提の制度を行っている場合があります。

このような場合は、同時申請、同一事業への二重補助も可能になり得ます。

また、地方自治体が行う補助では、国や他の地方自治体の補助との併用が禁止されていないものがあります。
2つの補助金が相互に禁止していない場合には、同時に申請することができます。

申請だけ同時にするのは、物理的には可能

ちょっと斜め上の方法になりますが、実は「申請するだけ」なら、同時に複数の補助金を申請できることが多いです。

複数に採択されてしまい、その内容が重なっているときや、同時利用に規制があるときには、どれか1つを選ぶことになります。

が、端的に言って、お勧めはできません。

1つの事業をそれぞれの補助金の規定に合わせた内容にアレンジし、書類を揃えて提出するのは大変です。
時には内容がとっ散らかり、何がしたかったのかも分からなくなります。労力と成果が見合わないのです。

異なる事業で2つ使う場合

原理的には、異なる補助金に異なる事業計画を出すことは可能であり、相互に禁止されていなければ併用できます。

……が、あくまでもこれは原理上の話です。
まったく重ならない2つの補助事業を同時に行うこと自体、非常に難しく、お勧めできません。
また、多くのメジャーな補助金が同時利用について制限や減点を定めているため、ルール的にも現実にはかなり難しいと言えます。

もしどうしても併用したい場合には、早めに専門家に相談し、綿密に戦略を練ってください。

「補助金と助成金」なら可能な場合も

ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金などの「補助金」と、キャリアアップ助成金や両立支援等助成などの「助成金」は、併用できます。

平たく言えば、「中小企業支援・設備投資補助」と、「賃金・雇用に関する助成制度」の組み合わせは、併用できるものが多いということです。

「前にこれを受けたことがあるけれど、こちらの申請ができるかな?」と不安になったときは、各補助金等の窓口や専門家(行政書士・社労士等)に確認してみましょう。

おすすめは「順を追って使う」

補助金活用のおすすめは「併用」ではなく「順次の利用」です。

1つの補助金の事業が終了したら、次の補助金を申請する。ダメだったときは見直して再申請。補助金の規模にもよりますが、順調にいけばおおよそ1~2年に1つ以上は申請できる計算です。

この方法なら、併用に関する問題を回避しながら、次々にジャンプアップを図ることができます。補助事業が複数あって混乱するおそれもなく、それぞれの事業にしっかり注力できるので、成果も上げやすくなるでしょう。

今回の学び

◎2以上の補助金を併用できる場合もあるが、かなり限定的
◎上乗せ補助以外では、「併用」ではなく「順次」の方式での利用がおすすめです。