ギリギリになってからでは遅すぎる!補助金の賢い使い方

補助金を利用するタイミングを中心に、補助金の注意ポイントと賢い使い方についてお話します。

補助金は倒産直前の事業を救えない

もう資金がない。借入もできない。補助金をもらえれば、事業を継続できるかも?
そんな一縷の望みをかけて士業事務所を訪れる方が、ときどきいらっしゃいます。

しかし残念ながら、そういう方は補助金に関してはもう手遅れです。

着金まで1年以上かかることも

ある程度の規模の国の補助金の場合の代表的なスケジュールでは、

申請準備1〜2ヶ月→申請後、結果が出るまで2〜3ヶ月→交付申請数週間〜数ヶ月→事業実施(出費)→完了次第、実績報告→OK出たら支払申請→着金

と、こんな感じです。申請準備の開始から着金までは少なくとも半年以上、長ければ1年半近くになることもあります。

しかもその間、ただ口を開けて待っていれば良いのではなく、既存の事業も回し、追加で補助事業も行い、その分の全額の出費を一時的にまかなわなければなりません。

融資で回せればともかく、融資すら断られるような状況になってからでは、補助金の申請が通ったとしても、補助金を受け取る前に力尽きてしまいます。

それに、入ってくる補助金は「補助事業で支払ったお金の一部が返ってくる」ものなのですから、結果から見ればお金が増えたのではなく、同じ挑戦をするための出費が減っただけです。本当にギリギリの状態の事業であれば、挑戦自体を控えて出費を少しでも抑える方が先決のはずです。

補助金に合わせて事業を曲げると、失敗する

補助金申請を考える人の一定数が「採択されるために、どんな事業をすればよいですか」と尋ねます。

逆です。本来、補助金とは、「もともとやりたいことがあり、たまたま少し工夫すれば補助金を使って出費を減らせるかもしれないから申請する」ものです。

どのみちDXをしようとしていた人が、特定のツールであれば補助金の要件を満たすから、そのツールに決める。
あるいは、飲食店を運営している人が、持ち帰り弁当の販売を補助金で開始した例を知り、自分もやってみる。
これはアリです。

しかし、これまで靴を作っていた人が補助金のために弁当を売ろうとするとか、自分の事業には必要もないツールを補助金を使うために導入するなどということは、すべきではありません。

そういう無理をした事業計画は、申請しても大体は通りません。よく知らないもののことはうまく想像ができず、現実的な計画にはなりにくいからです。また、もし通ったとしても、その後、モチベーションが下がってしまったり、計画の非現実性にぶつかったりして完遂できず、補助金が得られない事態になることもあります。

補助金を賢く使うには?

では、補助金を使って成長を遂げるには、どうすれば良いでしょうか?

余裕があるうちに申請する

補助金を受け取るまでには、人手も元手も要ります。「もうダメだ」となってからでは遅いです。

では、どういうタイミングが適切か?
それは、

「あと少しお金があれば、チャレンジができるのに」
「最近少し業績が落ちてきているから、立て直しを図りたい」

こういう場合です。
補助金は「ちょっと背伸びをする後押し」に使うものであって、急場しのぎに使うものではないのです。

既存事業から地続きの計画

補助金の事業として何をするか考える際に、他の事業者がどういう計画を出したか研究するのは、悪いことではありません。

しかし、どこかの事業者が成功しているからといって、自分たちもそれをすれば上手くいくと考えるのは、大間違いです。

補助金を使って成功している事業者は、

・これまでに培ってきたノウハウや人材、開拓してきた顧客を利用できる事業
・用意できる資金や人材に対して、現実的な範囲の事業

を計画しています。

資金面はもちろんのこと、人材面も見逃せません。特に一人事業では、「他の仕事に手を取られてしまって補助事業が始まらない」なんてこともあり得ます。

実現可能性が低い計画は大抵、審査で落とされます。採択すらされません。
しかし実は「うっかり通ってしまった」場合のほうが、地獄です。通ってしまったからには考えなければならず、動かなければならず…。頑張っても回しきれずに補助金を得られないで終わるのでは、誰の得にもなりません。

周囲からの支援の確保

補助金の申請では、周囲の協力を得られているかどうかも、見られている場合があります。

実際、補助事業を問題なく行うには、周囲の協力が必要になることが多いです。

金融機関は、資金が足りなくなった場合に貸してくれるかどうか?
取引先は、補助金のために必要な書類を用意してくれるかどうか?
事業に必要な物品等の調達先が、ある程度固まっているかどうか?

特に補助金額が大きい場合には、融資の予定が具体的でなくても、金融機関にあらかじめ話を通しておいたほうが良いでしょう。
また、大きな買い物をする予定の取引先や補助事業で主要な仕入先となるような取引先にも、申請時に軽く話をしておくことができれば、採択後がスムーズです。

今回の学び

◎補助金申請はギリギリになってからでは遅い
◎現実的でない計画は、結局失敗する
◎融資も活用し、周囲からの協力を得て進もう