補助金・助成金・給付金 何が違うの?

補助金、助成金、給付金…などなど、いろいろな名前のものがあるけれど、一体どう違うのでしょうか?

それぞれの用語の違い

まずは用語を整理してみましょう。
説明の関係上、給付金→補助金→助成金の順で説明します。

給付金: 全プレ方式

給付金の特徴は、なんといっても「条件さえ満たせば、細かいことナシに一律で支給される」「使い道が限定されない」の2点です。雑誌の「全員プレゼント」を想像すればわかりやすいと思います。

給付金の事例として、コロナ禍にあった月次給付金、事業復活支援金などが挙げられます。

2026年2月現在、広く全国的に行われている事業者向け給付金はないと思われます。あくまでも、特殊な状況の時の支援という位置付けですね。

補助金: 国の理念に合った事業を後押し

補助金のポイントは、

・後払い
・競争制
・厳密な手続き

です。

補助金の目的は、お役所側が、推進したい内容を実現してくれる事業に投資することです。

このため、何にお金を使うのか、本当に有効に使ってくれるのかが、厳しく問われます。お金だけ渡して勝手をされては困るので、通常は「費用補填の後払い」、つまり、事業者が事前に申告していた内容を支払ったあとで、その証拠をもとに支払われます。

また、推進したい内容を盛り立てるには、多くの事業者に少額をばら撒くよりも、より有効な方法を考えている少数の事業者に多額の投資をするほうが効果的です。そこで補助金では通常、事業計画を比較検討する競争制度をとり、その代わりに採択されたときの補助額は大きくなっています。

2026年2月現在、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金が代表的な補助金制度として挙げられます。

助成金: 給付金と補助金の中間的な制度

最後に助成金です。

助成金は、「条件を満たせばもらえる方式」である一方で、その条件の設定を工夫することで、「お役所が推進したい内容の費用補填の性質」も持っています。

代表的な助成金であるキャリアアップ助成金は、あらかじめ雇用計画を立て、雇用形態・賃金などの条件を満たしたことを伝えれば、お金がもらえます。

しかし事業者側は、それらの条件を満たすために必ず、新たな雇用に伴う採用教育費や賃金アップなど、何らかの金銭的な負担を負っています。事業者に振り込まれる助成金は、実質的には、そういった費用の補填をする作用をするとも言えます。

名前と中身のズレに注意!

IT導入補助金(令和8年度から名称変更)のようなカタログ型補助金は、助成金に近い性質を持つ補助金です。

東京都の「健康増進型公衆浴場改築支援補助」も、タイトルこそ「補助」となっていますが、支給の要綱では一部「助成」と書かれており、性質的には中間の要素を持っています。

お役所側は名前から決めるのではなく、「どのような形であれば、効果的に公金を使えるか?」から考えています。中間的な性質を持つ制度や、名称と中身にズレがある制度は、今後も出てくるでしょう。

特に地方自治体が行うものや、役所を離れた民間団体の主催のもの(非営利向け助成金など)では、用語の混乱が大きくなる傾向があります。

今回の内容はあくまでも「原則」として捉え、中身についてはそれぞれ別個に確認しましょう。自分で公募要領など公式情報を調べるほか、士業に尋ねる方法もあります。

担当する士業は何士なのか問題

ところで、「士業に尋ねる」といっても、補助金・助成金については、何士に尋ねればよいのかの問題が残ります。

一般的には、補助金は行政書士が扱っています。法改正により、補助金に関する書類の作成は行政書士しかできないとする解釈が強化されることになりました。

一方、キャリアアップ助成金などの一部の制度は、行政書士では対応できず、社労士(社会保険労務士)に依頼することになります。

行政書士と社労士の線引きは、その補助金・助成金がどの法律に基づいて作られているかによります。しかし、そんな確認をお客様の側に求めるのはあまりにも酷です。

一般の方の理解としては、「雇用や賃金に関するものは、社労士。設備投資や新規事業に関するものは、行政書士」と覚えていただくのが良いかと思います。

もし迷ったときは、どちらでも良いのでお近くの士業に聞いてください。間違っていたら、正しい士業を教えてくれるはずです。

今回の学び

◎給付金は全プレ、補助金は競争&費用補填、助成金はその中間
◎名前だけでの判断は危険
◎相談先は、賃金・雇用関係は社労士、設備・事業関係は行政書士