入札のしくみと調べ方・参加方法

そもそも入札って何ぞや、という方はこちら

今回は、お役所の入札案件って、どんなしくみで事業者が決まるの?どうすれば参加できるの?という話をします。

基本は「オークション形式」

お役所が出している委託外注案件の最も基本的な形は「一般競争入札」というものです。オークションに似ています。

あらかじめ書面で「こういう仕事ですよ」「応募できる条件はこれですよ」というのが公開され、それをもとに事業者が「自分たちならこの値段でできます」の見積もりを立てます。

その見積額を、お互いが見えない状態で役所に提出します。
最近では電子入札も一般的になっていますが、原初的には「見積額を書いた紙を封筒に入れてしっかり封をし、その状態で役所に提出する」です。
この「見積額を提出する行為」を「入札」と言います。

事前にこの日と決めた日時に、役所側で集めた封筒を開け、すべての見積額を並べます(これを「開札」と言います)。そして原則的には、その中で最も安い額を提出した事業者に案件を渡します(「落札」です)。

ただ、これだけでやると現実的には不可能な安価で落としてしまう事業者が現れるので、中には「最低でもこれ以上の金額の事業者で」と決まっている場合があります。その場合は、その金額よりも低い額で出した事業者は最安値でも通りません。最低額がいくらなのかは事前には公表されないので、腹を読み合う必要が出てきます。

「一般競争入札」のほかには、
・より簡略化された見積合わせの方式である「オープンカウンター」
・あらかじめ対象者を絞った上で入札を行う「(希望制)指名競争入札」
・ほかにできる人がいない、入札するには規模が小さすぎるなど条件を満たす場合に役所側で契約者を決めてしまう「随意契約」
などがあります。

必要な参加資格を見極めるところからスタート

さて、入札に参加するためには、「入札参加資格」が必要です。

「資格取得ってことは、お勉強?嫌だ!」と思った方、安心してください。入札参加資格の取得はお勉強ではなく、「登録」に近い事務手続でできます。まじめに普通に営業している事業者であれば、資格の取得そのものができないことはほぼありません。

ただし、資格の種類がものすごくたくさんあるため、どれを取るかが問題になります。

本来、すべての行政機関の資格がそれぞれ別個なのです。
たとえば…
国交省と厚労省の資格は別。
東京都の資格と神奈川県の資格は別。
川崎市と横浜市の資格は別。
川崎市と神奈川県の資格も別。
これが本来の姿です。

実際には、建設以外(物品・サービス)の場合、国の機関の多くが含まれた「全省庁統一資格」というものがあり、国については細かく選ばなくて済みます。
また、東京23区や神奈川県の一部など、共通のシステムに集約することでまとめて申請できるようにしている自治体もあります。

しかしいずれにしても、1つ取れば全国どこでもオッケー、というわけにはいきません。

自分が行ける範囲で、自分の業種で、仕事がありそうなのはどこか?
資格を取得するにあたり、これを検討しなければならないのです。

自分に合った案件があるかどうかを知る方法

では、どうやって案件の有無を探すのか?ですが、主な方法は3つです。

① 公的な情報サイトを利用する

官公需ポータル」「調達ポータル」は、いずれも公的に運用されている入札案件情報サイトです。

誰でも無料で利用できますが、性能や見やすさは劣り、特に詳細の閲覧についてはほぼ役に立たないことも多いです。

下調べ段階で「どういうキーワードで調べたら良いか?」や「大体ざっくり知りたい」のような需要に利用できます。

② 役所のページを検索

事業者の所在地の近くにある役所・施設など、めぼしい行政機関がある場合には、その行政機関の情報を直接見に行く方法があります。「行政機関名+調達」で検索してみると良いでしょう。

こちらも誰でも無料で利用できますが、行政機関を絞らなければ調べられないこと、お役所のHPそのものが迷路でそれなりの検索能力が必要になることがネックです。しかし、アタリが付いているのなら、一度見てみる価値はあります。

➂ 有料サイトを契約する

本気で入札参加を狙うなら、この機会に民間の有料サイトに登録するのも手です。

どのサイトも見やすさや情報量にこだわっていて、調べ物自体はとてもラクになります。反面、どのサイトもそれなりのお値段になるため、まったく案件を取らない可能性があるのならもったいないです。

④ 入札参加資格に強い専門家に相談

入札参加資格の取得を業務に掲げている行政書士などに相談するのは、1つの手です。

専門家はいろいろな業種の方と接していますし、中には有料ツールを契約していることもあり、どの業種の仕事が大体どのあたりにあるのか(国なのか、都道府県なのか、市町村なのかも含めて)、アタリを付けられることが多いでしょう。

今回の学び

◎入札案件はオークション方式を原則としつつ、いくつかの選抜方法がある
◎入札に参加するには資格(登録的なもの)が必要
◎入札参加資格は機関ごとに異なり、戦略的な取得を考えなければならない