役所から答えを引き出す!知っておきたいワザ4選

役所から修正依頼や指摘が来たのだけれど、何が何だかチンプンカンプン、という経験、したことがある方も多いのではないかと思います。

元・役所の人であり、今も役所とやり取りの多い行政書士が、役所から追加情報を引き出すための小ワザを伝授します。

1 話題を特定する

役所というのは大体において「物量」が多いです。

部署だけでも数え方によっては100近くあったりしますし、その小さな部署1つから出る郵便物が日に何十通・何百通単位のことも珍しくありません。「公文書」なんて言ったら一般の方には珍しいものに聞こえるかもしれませんが、1つの課から出る公文書の数が年間で数百にのぼるのも普通のことです。

また、1つの電話番号を共有している範囲でも、扱っている業務は1つではありません。その業務の担当は細かく分かれており、違う担当の人が電話を取っても関連のことはまったくわからなかったりします(これは間違いなく組織の問題ではありますが、公務員ひとりひとりの問題かというとギモンです)。

そんなところに電話が来て「なんか書類が来たんですけど…」などと言われよう日には、役所の人は嫌味でも皮肉でもなく、どの書類なのか、誰が担当なのか、まったくわかりません。

わからない問い合わせが来ると、役所の人は特定するために疲れてしまい、本題のほうはおざなりにして済ませようとしてしまいます。

ということで、役所とうまくやっていくためには、まず「話題を特定する」ことです。話題を特定する方法はいくつかあります。

①正式名称

「なんか補助金の」とか「なんだっけあの許可の」と言われても、補助金や許可がたくさんあったりします。

そこの窓口にたどり着くまでには、何かしら調べたページなり受け取った案内なりがあるはずです。変に略したりまとめたりしないで、それをそのまま読み上げてください。そのほうが伝わります。

②文書の番号や日付、タイトル

手元に役所から来た紙がある場合、右上に呪文みたいな変な文字列がないでしょうか?ひらがなや漢字が数文字あって、その後に1~6ケタくらいの数字があり、「号」とかで終わっているやつです。

それは「公文書の番号」です。役所ではその番号で文書が区別できるようになっており、大抵の事務現場では自分の部署が発行した番号の文書を確認できるはずです。それらはシステム上でおそらく日付順に並び、タイトルが見えるはずです。(なお、正式でない文書には番号がないか、「事務連絡」などと書かれていたりします)

したがって、届いた文書の上から順に読み上げて「〇月〇日発行、〇〇〇1234号の〇〇の通知の件です」まで言えば、何の用件で誰が担当なのか完全に特定できます。

③担当者名

担当者の名前が分かっているのならこちらから指定してあげたほうが、正しい人に早くつながります。

ちなみに「〇〇長」の名前で発行される公文書では、担当者名が書かれているとしたら通常、下の方です。

以前に問い合わせした内容について再度聞くときにも、担当がわかるほうが話が早いです。初回の問い合わせをしたときは、できるだけ担当者の名前を聞いて、メモしておくのが良いでしょう。

2 「手引きのどこに書いてありますか?」

役所はマニュアル主義です。特に役所の外部の人との接点では、マニュアルにないことは基本的に言えません。言えないはずです。そして許認可など複雑な手続きでは、マニュアル(手引き)は通常、公開されています。

何か指摘されたけれどわからん、というときは、この2つを尋ねます。

「手引きはどこにありますか?(どこを参照すればいいですか?)」
「手引きのどこに書いてありますか?」

手引きには記載方法や注意点が書かれているはずなので、それを見ながら対応しましょう。
この質問には副次的効果もあります。万が一役所の人のほうが間違っていた場合、こちらが具体的に指摘しなくても、手引きを示そうとした結果、言い分が訂正されることがあるのです。

手引きは役所とのやりとりで本当にベースになるものです。あらかじめこちらが手引きの内容を把握していれば、「でも、手引きの〇ページにはこう書いてあるんですが」と反論することさえできるようになります。
手引きとしてPDFにまとまっていない場合もHPなどに情報があることが多いので、全部を読まなくても良いのでできるだけ事前に見つけておきましょう。

3 「つまりどこをどう直せばいいんですか?」

役所の論理と民間の論理は違います。それは説明の方法も違うということ。その結果、役所の人が役所の人同士のノリで説明しようとすると、民間人にはサッパリ伝わらない指示が出来上がります。

なんだか回りくどく言われているが、結局どうすればいいのかわからない。
そんなときは、変に遠慮せず、スッパリ聞いてしまいましょう。「で、どこをどう直せばいいんですかね?」と。

たいていの場合、お役所の人も無駄なやりとりはしたくありません。また、許可などの判断をするのは最終的にはその人ではなく、別に拒否したくてそうしているわけでもありません(ごくまれに本当に嫌がらせをする人もいると聞きますが、それはまた別の話)。

ところが、論理展開が違うことに気がついていないままお互いにオブラートに包んでやりとりをすると、モヤモヤしたものだけ交換していつまでも核心にたどり着かず、両方がイライラすることになってしまうのです。

なので、「伝わってないよ、理由はいいから結論だけ言って!」と端的に伝えるほうが、サッサと話が進みます。

時には役所側の都合であまりハッキリ言えないという場合もありますが、それはそれで、ともかくヒントくらいはくれるはずです。

4 役所都合に合わせた時間に連絡する

役所は大体朝9時くらいから夕方17時くらいまで連絡を受け付けています。しかし、問い合わせや連絡をするのにその全部がOKかというとそんなことはなく、開いていても避けた方が良い時間が存在しています。

①朝イチを避ける

朝9時半くらいまでは、よほど急ぎでない限り控えたほうが無難です。特に月曜日は避けましょう。

というのも、9時くらいから「朝礼」をする部署が多いからです。係や課の人たちが集まって業務状況を報告したり、長からのお話を聞いたりしている時間です。
この時間、部署や業務にもよりますが、まったく電話に出ない(つながっても他の係の人などが出る)、電話には出るが周りが静まり返っているため気もそぞろであるなど、きちんと話ができないことが多くなります。

②11時45分~13時15分を避ける

役所の人は交代でお昼休みを取りますが、通常の事務系部署であれば大半の人が12時~13時に休憩となります。したがってこの間は、電話をかけても担当者がいない可能性が高いです。

そして昼休み時間にはどこも混みやすい事情がある上、多少業務が伸びても昼休憩の時間が前後してくれない場合もあって、昼休み直前の連絡はできるだけ短く済ませようとする担当者が確実に増えます。ちょっとした連絡・確認であれば問題ありませんが、しっかり問い合わせたいときには15分前くらいから避けたほうが良いでしょう。

一方でお昼休み中にも役所は動きを完全に止めているわけではなく、休憩中に書類が増えていたりもします。さらに、休憩後の時間は職員の端末へのアクセス・立ち上げが集中するため、一時的にパソコンが使い物にならなくなる庁舎もあります。したがって昼休憩直後は「気持ち的にもまだ集中できる状態ではなく、物理的にも端末が動かせない」という状況が出現し得ます。
役所ごとに環境も違うため一概には言えませんが、昼休憩後15分程度も避けられるなら避けたほうが無難です。

③閉庁直前を避ける

どうしてもそうなってしまうことはあり避けようがないのは仕方がないのですが、できれば17時直前など終わりギリギリの問い合わせは避けましょう。

これは民間でもそうだと思いますが、定時で帰りたい人・帰らなければいけない人はいますし、そういう人がギリギリの連絡を短く切り上げようとしてしまうのは当然の人情です。
(ちなみにですが、逆に閉庁してからが本番の残業確定組も、サッサと外部の対応を終えて本番のほうに移行したいと思っていたりします)

それでもダメな場合は士業に頼ろう

聞いてみたが理解できる回答が得られない、どうしていいのかわからない…。そんなときは、士業に相談しましょう。

厳密ではありませんが、何も分からない方の初動としては
法務局→司法書士
税務署→税理士
労基署・労働局・公共職業安定所・年金事務所など→社会保険労務士
特許庁など→弁理士
裁判所→弁護士(一部は司法書士)
その他の一般的な役所全般→行政書士
に相談するのが良いと思われます。

今回の学び

1 正式名称、担当者名、日付・番号・タイトルで話題を特定する
2 「手引きのどこに書いてありますか?」
3 「つまりどこをどう直せばいいんですか?」
4 連絡時間を工夫する
5 それでもダメなら士業を頼る